良質の算数文章問題の解き方

 

 良質の算数文章問題には正しい解き方、指導法があります。ご家庭でお子様のノートをご覧になったり、わからん帳で復習するときなど、以下の解き方(どんぐり倶楽部HPより引用)を参考にしてみてください。


解き方の基本

 

※一度で覚える練習が大切なのに「何度も読みなさい」「読めば分かる」は最低の指導です。

※「一度しか読んではいけません」「絵図にしたら読み返してはいけません。絵図で考えましょう」が基本です。

※読書百遍(どくしょひゃっぺん)董遇の言葉「読書百遍意自ずから通ず」(魏志)は難しい文章でも繰り返し読めばその意図はわかってくるという意味で、乱読を戒め熟読をすすめた言葉ですが、「読書百遍義自ずから見(あらわ)る」とも言います。「見えるようになること」がポイントなのです。奥義を最初に教えれば無駄な時間(味わうための読書は別です)は使わずに楽しめるのです。「読書百遍意自ずから通ず」は指導方法ではありません。


①読むのは1回だけです。「何度も読みなさい」は最低の指導です。

※一度で読みとれるようにすることが練習なのに「何度も~」では「何度読んでもいいんだから~」になります。「一度しか読めないから~」という覚悟を育てることが重要なんです。

※国語の読解力や会話の理解力の養成にもなります。

※特に言葉(授業などの説明は全部言葉です)は1回しか聞けない上に瞬時に消えてしまいます。「何度も読みなさい」は実は禁句なのです。キチンと間違って、次回、もう一度読むのです。


②消しゴムは絶対に使わない。

※考えた(考え直した)軌跡が子供を理解する好材料になるからです。この記録が宝物なのです。そのため、MKC算数・国語クラスではボールペンを使って問題を解いていきます。


③分かっても絵図を描く。描きながら考えないで、描くことを楽しむ。

④描いたら文章は見ないで絵図だけで考える。

※絵図を使って頭で考えるのではなく絵図そのもので(目で)考える:分かるようにする。


⑤答えが見えるように絵図を描き直す。


⑥答えが出たら(見えたら)計算して確認する。

※必ず筆算で計算する。暗算は「10の補数と九九」だけに制限する。


⑦要求されている設問内容に合わせて丁寧な式を作る。

※計算式は算数・数学の言葉なので過不足無く書き出す。計算式はメモなのでここでは不要。


⑧答えは計算式とは別に単位に注意して書き出す。

※答案用紙には「絵図・筆算・計算式・答え」がなければいけません。(計算式は小3~4まではなくてもOKです)


ヒントについて


 原則禁止ですが、全く知らない語句だけは教えます。ただし、「分からない・知らない」と言われて「それは~」ではいけません。知っているのに使えない(思い出せない・利用できない)だけの場合が多いからです。

ここに気付かずに説明してしまうと、<知っているのに使えないから聞く>→<その場だけ出来る>→<また聞く>の悪循環になります。

ですから、「分からない・知らない」語句でも、子供の記憶・経験の中で説明できるかどうかを探りながら、子供自身の記憶を再現させることで理解させる(説明する)ことが非常に重要です。


<注意>高速学習法との併用だけはしないで下さい。


学年別

 

小1:言葉からの視覚イメージ再現を楽しむこと。答えはオマケ。「お絵描きに夢中で進まない」が理想的。上手下手に関係なくオリジナルであること。豊かな表現力の源となる感味力養成が大事。読んであげる方がいい。自分で読めるから読ませるのはストレスになる場合が多い。数が確定していないものでも意識できるようにする。見えないものを見る力(描く力)が決め手!


小2:計算式は書かなくてもいい。こうすれば(こう考えれば)解ける(こうなる)という筋道をつけることができるようにする。答えまでの「理論展開」を目でできるようにする。構図による理解。視考力養成。


小3:視覚イメージの再現に加えて視覚イメージの操作(思考)力を視考力を活用して養成する。絵図を描いても絵図を使わずに、計算式だけで答えを出そうとする場合には要注意。不要な言葉は書き込まない。


小4:絵図・筆算・計算式・答え」の4点をセットとして書けるようにする。絵図から導いた計算式(算数語)を意識すること。途中式(推論の軌跡)を丁寧に書く。問題文にない数字は必ず計算式で出す(算数語で書いておく)。


小5:「絵図・筆算・計算式・答え」を書く場所を分けて見やすく整理しながら書く。視考力のブラッシュアップ。簡潔な絵図でいいが線分図はなるべく避ける。


小6:過不足無く、全体を見通しやすいように(一目で理論展開が理解できるように)絵図を工夫して描く。誰が見ても分かるように描く。プレゼンテーション・表現力をも含めた視考力を活用した思考力養成の仕上げ。